保険診療

天神竹井皮膚科では以下のような皮膚科の保険診療を行っています。

ニキビ

 ニキビの始まりは毛穴のつまりです。顔の毛包には皮脂腺が付着しており、皮脂の分泌が増えたり、毛包の出口が詰まったりすると、毛穴に皮脂がたまり(白ニキビ)、それが炎症を起こすと腫れや膿が生じます(赤ニキビ)。炎症を起こしているニキビは9%の確率でニキビ痕を残すというデータもあるため、しっかりと治療をしていきましょう。

 原因は、年齢的に皮脂が活発になることや、ストレス、睡眠不足、月経、乾燥など様々ですが、それらの原因を取り除くのも一つの手です。ステロイドざ瘡や毛包虫性ざ瘡、酒さ性ざ瘡などの鑑別が鑑別になります。また背景に嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や化膿性汗腺炎(HS)があることもあります。

治療方法

 アダパレン(ディフェリン)外用、過酸化ベンゾイル(デュアック、ベピオ)外用、抗菌剤外用、抗生剤内服を主体として、補助的に漢方、ビタミン剤を使用します。炎症のあるアクティブな赤ニキビに対しては抗菌作用のある薬を使用し、毛穴のつまりはアダパレン(ディフェリン)、過酸化ベンゾイル(デュアック、ベピオ)外用剤を適宜使用します。

 毛包のつまりを改善させる薬の作用として、角層を剥がす効果があるため赤みやカサカサした感じがでることがありますが、保湿剤を使ったり、お肌の状態によって適した薬剤を選択することによっては副作用を最小限に抑えることが可能です。

 ニキビ痕の治療を求める方にはレーザー等の自由診療を考慮することもありますが、基本的には今あるニキビや赤みや色素沈着は保険治療のみでよくなります。また毛穴を詰まりを作りにくい「ノンコメドジェニック」と表記のある化粧品を選ぶことをお勧めしております。サンプルご希望の方はお気軽にお申し付け下さい。

アトピー性皮膚炎

 アトピー性皮膚炎とは慢性的に(成人6ヶ月以上、乳児2ヶ月以上)かゆみのある湿疹を繰り返す病気で、アトピー体質(家族歴あるいは既往歴に喘息、アレルギー性鼻炎)を伴うことが多いと言われています。

 乳幼児では頭や顔からはじまり、成長するに伴い、首や肘や膝の関節の曲がる場所に広がっていきます。小児期に治癒することも多いですが、成人になっても続いたり、成人になってから発症することもあります。最近アトピー性皮膚炎の多くが遺伝的に皮膚の保湿因子の遺伝子異常であることが分かっており、保湿の重要性が再認識されています。

治療方法

 保湿、ステロイド外用、抗アレルギー薬内服がメインとなります。またダニやホコリのアレルギーを持っていることが多いので、生活環境を整えることも重要です。増悪因子は患者さんの体質や年齢によって異なりますが、乾燥、刺激、ストレス、睡眠不足などできるだけ取り除くようにしていきましょう。炎症がほとんどない状態を維持することが目標で、プロアクティブ療法という再燃を抑える治療も行います。

じんましん

 皮膚の一部が急に赤く腫れ、しばらくすると消えるのが特徴的な病気です。強い痒みを伴い、皮疹の出現時間には個人差がありますが、跡形なく消えていきます。
重症な場合は呼吸困難、血圧低下などが見られる場合がありますので、その場合はクリニック受診ではなく救急車を呼ぶ事も検討しましょう。
原因は食べ物や薬、特定の刺激、感染症(風邪など)が考えられますが、7割以上は原因がはっきりしないと言われています。

治療方法

 急性じんましんには抗アレルギー薬内服、症状が激しい場合は他の薬も追加で内服して治療します。慢性蕁麻疹も同様に抗アレルギー剤や、症状によりその他の薬を内服して治療します。慢性の場合は数年ほど長引く事が多いですが根気よく治療していきましょう。

 じんましんは原因不明のものがほとんどですが、検討がつくものがあれば血液検査やパッチテストを行うことも出来ます。該当すれば原因を取り除き予防もできます。

いぼ(尋常性疣贅)

 皮膚にヒトパピローマウイルスが感染して生じる「いぼ」のことを指します。皮膚からカリフラワー状に盛り上がった病変であり、手の指や足の裏などの小さな傷から生じることが多いですが、体のどこでも生じる可能性はあります。いぼの中に小さな血管が混在しているので、内部に小さな黒い点が見えることが特徴です。

治療方法

 液体窒素でいぼの部分だけ凍らせて治療します。1回で治らないことが多いので治るまで2-3週に一度治療を継続していきます。あまり間隔をあけすぎるとウイルスの増殖がすすみ、いぼの数も増えてしまうことがあるため、治るまで継続して治療をしていきましょう。

たこ・うおの目(胼胝・鶏眼)

 特定の部分に慢性的な刺激(靴が合っていない、歩き方の異常、足の変形、長時間の歩行等)が加わることで角質が厚くなったものが「たこ」、中央にくさび形に芯を持っていて強い痛みを伴うものが「うおの目」です。

治療方法

 刺激となっている原因を可能な限り取り除くのが基本です。厚くなった角質にはカミソリなどで削ることが出来ます。

水虫

 白癬菌による感染症です。足の水虫をイメージしますがが、股・手・爪・体部・顔面・頭部と体中どこでも感染する可能性があります。痒みを持つことは1割程度しかなく、4-5人に1人は水虫というデータもあり、足の皮が剥けていれば痒くなくても病院で顕微鏡検査をして診断をしてもらいましょう。

治療方法

 抗真菌薬の外用、爪など場合によっては内服の場合もございます。内服の場合は定期的に血液検査を行います。治療のポイントは適切な量を適切な範囲に継続して外用をしていくことです。また家族に水虫の方がいる場合はバスマットやスリッパなど共有しないようにしましょう。

 白癬菌は菌が皮膚に付いたまま高温多湿状態が12から24時間続くと感染すると言われています。毎日お風呂でしっかり足を洗う事で感染を予防できます。

粉瘤

 粉瘤はアテロームとも呼ばれる皮膚の良性腫瘍の一つです。皮膚の下に袋状のものができ、そこに古い角質や皮脂成分などが溜まっています。この袋の中に溜まってしまう角質や皮脂は、放っておいても自然になくなる事は稀で、むしろ時間の経過とともに少しずつ大きくなっていくことが多いのが特徴です。

 治療は通常、手術にて袋ごと摘出します。

治療方法

 炎症を伴っている時とそうでない時で治療法が変わってきます。炎症があり腫れを伴っている時は炎症を引かせることを優先します。抗生剤の内服で引くこともありますが、膿がたまり痛みが強い場合は小さな穴を開け排膿したほうが早く治まります。

 炎症がない時は袋ごと摘出することが適しています。炎症がある時よりかなり小さい傷跡ですむからです。日帰り手術になりますが、箇所によっては他院を紹介することがあります。

ヘルペス

 単純ヘルペスウイルスの感染、再発により皮膚や粘膜に水疱が生じる病気です。風邪や疲労の際に生じる事が多いです。アトピー性皮膚炎の症状が強い人では広範囲に生じて、カポジ水痘様発疹症という状態になることもあります。

治療方法

 基本的には抗ウイルス剤の内服で治療します。何度か再発しヒリヒリ感などの前触れがあり、診断がつく方には事前に内服を処方する場合もあります。PIT(Patient Initiated Therapy)という、次回のヘルペス症状出現時の薬をあらかじめもらうことも可能です。早く内服を行うことでより症状を軽くすることができます。

 また下半身の症状を頻繁に繰り返す時は再発抑制療法(抗ウイルス剤を長期内服)を行うこともまれにあります。

帯状疱疹

 水痘・帯状疱疹ウイルスによるもので、初感染では「水ぼうそう」となりますが、それが治った後もウイルスは神経内(脊椎の後根神経節内)に潜伏感染しています。免疫機能の低下によりウイルスが再活性化され神経内で増殖し知覚神経を通って表皮にまで達し赤い皮疹として現れるのが帯状疱疹です。

 知覚神経を傷つけるため強い痛を伴うことが多く、治療開始が遅れてしまったり、年齢や基礎疾患によっては皮疹が治っても痛みだけが残る場合(帯状疱疹後神経痛)もあるため、慎重に経過を見る必要があります。

治療方法

 抗ウイルス剤で治療します。痛みに対しては痛み止めの内服をします。皮疹があまりにも広範囲の場合や強い痛みを伴う場合は総合病院へご紹介になることもあります。